<BASS、これだけは知っておこう!(演奏技術基本編)>


1.指弾き(フィンガーピッキング)の際の注意事項



・フィンガーピッキングにおいてポイントとなる事項を以下に挙げます。


1.人差し指と中指の2本を交互に使ってピッキングする、”オルタネイトピッキング”で行なうことが基本となる。


2.ピッキングに際しては、親指先をピックアップ横等に付け、親指1本で手首および腕を支えるようにする。これによって、ピッキングする弦を変えること、また、弦上のピッキング位置を変えることが自由に行なえるようになる。


3.2においては、手首の位置の自由度を得るために、ひじを外側に張り出すようにしたり、腕や手首をベースのボディ側面に載せるようなことは行なわないようにし、腕やひじ部分はなるべく力を抜いてリラックスした状態を作るようにする。


4.弦ができるだけ大きい幅で振動するように、弦をピッキングする際には、指先にて弦を横方向(となりの弦の方向)に十分引っ張って離すようにする。これによって、十分な音量と輪郭のある音質を得られるようになり、音抜けが十分な音を出すことができる。


5.4において、指は弦をピッキングした後、となりの弦に当てるようにする。(⇒クラシックギターでの”アポヤンド奏法”と同様なスタイルとなる。)


6.4〜5の動作においては、瞬発力を十分に使い、指で一気に弦を振り抜くようにして行う。指先で一気に弦を乗り越えるようなイメージで行っても良い。
 指は大きく振りかぶる必要はなく、できるだけ小さい振り幅で、かつ強く弾くことを基本とすれば、速いピッキングにも容易に対応できるようになる。このようにすれば、弦に指先が触れた状態からスタートしても可能。
 

7.弦上においてピッキングする位置は、次の3つのタイプに分けられる。

 @ 親指の真下の位置で行なうタイプ ⇒標準的なタイプ。親指へ向けて指を動かすので、強いピッキングを行いやすい。また、3フィンガーピッキング等にも応用しやすい。

 A 指を60°程度傾けて親指の真下より右側の弦上の位置で行なうタイプ ⇒人差し指と中指の長さの差を無くすということが、このタイプの原理。指の側面で弦をピッキングすることになる。

 B @とAの中間位置のタイプ⇒両者のメリットを合わせ持つが、少々中途半端になりがち。

 最初のうちは、最低音弦(4弦ベースの場合は4弦)を弾く時に、ピッキングした後に親指に指を当てられる等のメリットがあるので、@のタイプで弾くようにしたほうが良いと思われる。


8.弦をピッキングする際には、一般的には、弦を十分に引っ張りつつも、弦が指先からスムーズに抜けるようにするため、最終的に指先の関節が上方に反るような状態を作るようにする。(画像8-1参照)
 指を手の平方向に丸めて、弦をツメで引っ掻くようにして行うと、弦が指先に引っ掛かってスムーズなピッキングができなくなり、リズムが乱れるばかりか、ツメに弦が当たりやすいため、音質にも支障が出ることになってしまう。(画像8-2参照)

  (画像8-1) 指の先を反らせた好ましいピッキング時の形


  (画像8-2) 弦を引掻くようにした好ましくないピッキング時の形


9.ピッキング動作の際には、指を真っ直ぐに伸ばしぎみにして、指の根元の関節の動きを中心にして、指を動かす動作を行なうようにする。(⇒第二関節を曲げるようにして行うと、弦を引っ掻くようなピッキングとなってしまう。)
 ただし、指をまっすぐに伸ばすように無理に力を入れるのではなく、指の各部の力を適度に抜くようにした結果として、指が伸び、指先が上方に反る状態になることには注意。

 ピッキング動作全体を通して、指の根元の関節の曲げを中心とした指の振りとすると、手首から腕にかけての広範囲の筋を使った動作となるので、より強いピッキングを行えるだけでなく、長時間の動作にも疲れない状態を作れるようになる。


10.最初は、人差し指および中指で、1音ずつゆっくりと、できるだけ強く弾けるように練習していくのが良い。この時、ベースのボディが振動し、自分の体に振動が伝わってくるような十分な強さで弾くことが基本となる。



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