19.ハモリの付け方


(ポイント)

・ハモリは、コード(和音)を作る方法に準じたもの

・主旋律のそれぞれの音に対して、3度、5度、7度・・の順に音を積み重ねる

・積み重ねる音は、基本的には、そのコード進行のkeyで使用できるスケールの音を使用する


(ギターにおいて、ハモリを付ける場合の手順)

1.その曲、またはその部分のコード進行のkeyを見つける

2.そのkeyで使用できるスケールを判断する

3.フィンガーボード上で、そのスケールポジションを見つけておく

4.主旋律の音それぞれに対して、度数に応じた音をスケールポジションを利用しながら見つける


(解説)

ハモリとは、どのようなものか?

 ハモリとは、コードを作る場合と同じで、基本的には主旋律のそれぞれの音をルート音と考え、それに対して3度⇒5度⇒7度のような順に音を載せていくことで、複数の演奏者による単音の集合でハーモニーを作っていくことです。(付けていく度数については、途中の度数を抜かすことや、ルート音より下方向(低い音方向)に付けていくこと等も可能ではあります)

 ギターによるツインリードでは、通常は2人で行いますので、基本的には主旋律を弾くギターに対し、もう一人は主旋律のそれぞれの音に対して3度の音(他の度数の時もあります)を弾き、2人でハーモニーを作っていくことになります。


ハモリに使用する音は?

 この主旋律に対して3度や5度の音など使用する音は、その曲全体、またはその曲の演奏する部分のコード進行のkeyによって決まるスケール(通常はメジャースケール、またはマイナースケール)上の音のみを使用することになります。

 このことにより、載せていく音は、例えば3度の音だとしても、長3度(ルート音から2全音上(4フレット上))の音か、短3度(ルート音から1全音半上(3フレット上))の音かはその部分によって変わってくる(両方出てくる)ことになることに注意してください。


知っておくべきことは?

 ハモリは慣れてしまえば感覚的に付けられるとは言え、上に述べたことを理解するためにも、コード進行とkeyの関係や、スケール、度数のこと等はあらかじめ知っておく必要があります。

 まず、その部分のコード進行のkeyがわかれば、それに基本的に使用される音の集合、すなわちスケールが決まってきます。これは曲の途中でkeyが変わらなければ(または変わったとしても短期間でもとに戻れば)、曲全体のkeyとしても良いわけですが、少なくとも曲のkeyを見つける方法は知っておかなければならないことになります。


keyを見つける方法は?

 keyを見つける方法は、色々ありますが、一般には次のようなものでしょう。

@コード進行から見つける方法(ダイアトニックコード等の音楽理論の知識が必要になります)

Aボーカルのメロディラインをスケールにあてはめて見つける方法(メジャーおよびマイナースケールの知識、およびギター/ベースではフィンガーボード上のスケールポジションとkeyにあたる音(トニック)の位置の知識等が必要です)

B曲に合わせて、アドリブをとってみて、音がマッチするスケールポジションから見つける方法

C五線譜の調号の位置から見つける方法(譜面がある場合)


keyがわかったら?

 例えば、譜面がある曲の場合で、調号はシャープが1個だとしましょう。調号がシャープ1個ということは、この曲の基本のkeyは、GメジャーかEマイナーということになります。(GメジャーとEマイナーは平行調。平行調について御存知なければ調べてみてください。また調号とkeyとの関係についても同様です。)

 もし、Gメジャーならば、基本的に使用されるスケールはGメジャースケール、EマイナーならばEマイナースケールということになります。
 このどちらかであるかは、曲が明るい感じか/暗い感じかでわかると思いますが(明るい感じならばGメジャーです)、いずれにせよ構成されている音は同じですから、ハモリに使用されるのは、このスケール上の音だけを使用すれば良いということになります。

 参考までにGメジャースケールの音を書いておくと、”G,A,B,C,D,E,F♯”となります。(EマイナーはこれをEから並べ換えた”E,F♯,G,A,B,C,D”となります)

 ということで、主旋律の音もこれらのスケールのどれかの音になるはずで(コード進行等によっては、この音以外が出てくる場合もありますが)、それに3度のハモリを付けるとすると、主旋律のそれぞれの音に対し、このスケール上で2つ上の音を順番に付けていけば良いということになります。この作業においては、フィンガーボード上でのスケールポジションを覚えていれば、容易に見つけることができると思います。