中級者のためのワンポイントアドバイス(演奏編)



☆メジャー/ナチュラルマイナースケールは全てのポジションフォームを覚えましょう。

 ペンタトニックスケールのポジションフォームは、実用的な部分が限られるため、全てのスケールポジションフォーム(シェイプ)を覚える必要は無いと言えるのですが、メジャー/ナチュラルマイナースケールは、やはり全てのポジションフォーム(フィンガーボード上全て)を覚えてしまった方がメリットが多いのです。アドリブできる範囲が広がるということはもちろん、チャーチモード各スケール(ダイアトニックスケール)の基本ポジションフォーム、さらにはオルタードスケール等テンションがらみのジャズ的スケールのポジションフォームを覚えるための基礎となるからです。全てはメジャースケール(ドレミファソラシド)から始まるというわけです。

 以下に示すものは、メジャースケールの標準的なスケールポジションフォームです。(●がトニックとなります) これは、トニックの位置を変えれば、ナチュラルマイナースケールのポジションフォームでもあり、また各ダイアトニックスケールのポジションフォームともなります。
 1弦に3音ずつ配置したフォーム等でもOKですが、下記のフォームであればペンタトニックスケールの標準的なポジションフォームも含まれますので、これを基準とされたほうが何かと便利でしょう。(1弦3音配置のフォームも、これから発展させられます)








☆アドリブの基本は、まずコード進行のkeyをつかむことが必要です

 音楽理論を活用してアドリブソロを行うには、コード進行におけるkeyをまずは明確にし、それによって、使用できるスケールを判断するという過程が必要になります。
 感覚によって、その時に鳴っているコード(またはコード進行)に合う音を判断して、ソロを弾いていくこともできますが、やはりスケールを利用しての演奏ができることが基本となります。逆に言えば、スケールを基準にせず、感覚で音を判断するというアプローチは、より高度な方法と言うことができ、スケールの使用のほうが実は簡単なものであると考えられるのです。最初から感覚のみでアドリブを行おうとすると、よほど才能のある人でない限りは応用がきかずに、すぐに限界となってしまうでしょう。

 また、曲の途中でkeyが変わる(転調する)場合もあり、スケールを変える必要が出てきます。これはジャズ等では特に顕著なものですが、転調した場合も感覚のみで察知できるとは言え、コード進行を見て理論的に判断することも合わせて行えないと、何かと不便なことになってきます。

 したがって、音楽理論によって、コード進行の様子を分析/判断していけるような力を着実に付けていくことが必要となりますが、全てはkeyの確定という行為から始まるわけです。


☆やはり五線譜は読めたほうが良いの?

 ロック系のギター/ベースにおいては、とりあえずタブ譜が読めれば何とかなるとは言え、やはり五線譜を読めるに越したことはありません。
 五線譜を読むためには、基本的に、”譜面上の音名が直ちにわかるようになること”、および”フィンガーボード上の音の位置を全て覚えること”の2つが必要となります。これらについては、日々の読譜の練習による慣れしかないのですが、フィンガーボード上の音名把握については、上記”メジャースケールの各ポジションの形(シェイプ)を暗記すること”等も大きな助けとなります。(やはり、メジャースケールの把握は、何かにつけ役立つということですね)
 その他、”譜面に対する初心者”が、できるだけ短期間で読譜に慣れるためのコツとしては、以下のようになります。(リズムは読み取れるものとします)

1.毎日欠かさず、少しずつでも良いので、必ず読譜練習を行うこと⇒何と言っても慣れが必要です。
2.1回読んだ譜面は、それで終わりにせず、何回も繰り返し読むようにすること⇒譜面上の音符の位置と指板上の音の位置関係が自然と頭に入ってきて、次第にそれが当たり前の事実になってきます。
3.和音(コード)に関しては、まずはトップノート(一番高い音)の位置を定め、狙いをつけてから他の音を並べるようにする。⇒各種コードの基本フォームの原則を覚えておけば、さらに効率は上がります。


☆押弦した時に弦を引っ張ってしまっていませんか?

 これは、ギター/ベース共に、経験者であっても意外な落とし穴になるポイントです。
 弦を押さえた時の指先および弦の状態は、常にチェックしてみてください。指先で弦を引っ張って、弦が下がってしまっていたり、押し上げたりしていないでしょうか?  これらは、全てチョーキング等と同じ状態ですので、ピッチ(音の高さ)が上がってしまうことになります。

 特に5/6弦あたり(4弦ベースでは4弦)の低音弦では要注意です。指先の腹に近い深い位置で押さえ過ぎないようにし、フィンガーボードに垂直な方向で指先から弦に力を加えるようにして、斜め方向等に力を加えないように注意してください。このためには、まずは4本の指が4フレット幅で均等に開くようにしておくことが条件となり、その状態を基本とした上で、指先を下げて弦に置くようにするということになります。

 クロマチックパターンのフィンガリング練習等を通じ、常に、押弦状態の確認を行ってみてください。


☆さらに、押弦時に力を加え過ぎていませんか?

 これは、通常は練習を積んでいけば自然と身に付くことなので、あまり気に留めないことかもしれませんが、指先で弦を押さえる力が強過ぎると、音のピッチは上がってしまいます。このことは、コードを押さえる場合にも正確な和音が出ないことになり、大きな問題となりますが、チョーキング時にも弦とフレットの摩擦力が増し、弦を持ち上げるために不必要な力が必要になってしまいます。
 押弦とは、決して指先で弦を押し続ける行為ではなく、弦がフレットに十分接触する状態となりさえすれば、それ以上は指先で力を加える必要はないわけです。このためには、弦がフレットに十分触れた状態で、幾分指の関節をロック(固定)するような感じにもっていけばokです。
 通常の状態で、フレットにおいて弦が接触する部分が、短期間で削れて大きくくぼんでしまうような人は、弦を押さえる力が強すぎる可能性があります。


☆チャーチモードは、なるべく利用した方が良い?

 チャーチモード用の各スケール(ダイアトニックスケール)を覚えたばかりに、やたらと使おうとする人が多いのですが、一般的なロック系の曲では、メジャーまたはマイナーの1つのkeyにおけるダイアトニックコードが出ている範囲では、使用してもあまり意味がないことが多いです。

 この範囲では、結局メジャースケールまたはマイナースケールを弾いているのと同じことになることが多いからですが、その時のコードの構成音を意識して弾くというアプローチ(ジャズ等では当たり前ですが)や、モードの意味を本当に理解して使用する場合以外は、無理に意識する必要はないことになります。

 チャーチモード用のスケール(ダイアトニックスケール)は、各スケールが直接生かせるようなコード進行(⇒実際には、部分的なコード進行も含むことにはなりますが)の時に初めて威力を発揮することになります。
 例えば、ラテンの進行であればドリアンスケール、スパニッシュの進行であればフリージアンスケールであるとかです。 ただしこの時も、各コード/コード進行をメジャーやマイナーのダイアトニックコードに変換して考え、メジャー/マイナーと考えた場合のkeyを捜せば、メジャースケールやマイナースケールとして弾くことは可能でもあります。(⇒各コードの構成音を意識して音のラインを考えるようなことは多少は必要ですが)



☆ミクソリディアンスケールについてのこと

 ”自分はミクソリディアンスケールが好きなので良く使う。”とか、”ミクソリディアンスケールのフレーズの作りかたを知りたい。”とか、このような質問をされる方が時々いらっしゃいます。
 ブルース系メインのかたか、あるいは、スティーブ・ヴァイ氏あたりの影響があるのかと思われますが、これもダイアトニックスケールの話と同じで、ミクソリディアンスケールが有効に使えるようなコード進行でないと意味が無いということをまず忘れずに。

 3コードのブルースを除く一般のジャンルにおいては、ドミナントコード(= 7thコードと考えても良いです)で使用するというのが基本的な使用法となり、ジャズ等では当たり前のことになりますが、使いどころをまずはわかっていないとどうしようもないことになります。(全てのコードが7thコードである、ブルースの3コード進行では、全体に渡って使えることになりますが)
 そして、ミクソリディアン特有のフレーズの作り方というものは特には無く、他のスケールと同様にコードトーン(コードの構成音)を意識したラインを作ることが基本ということになります。(ドミナントコードの場合は、トニックコードへ進行するつなぎの部分で、7thの音を強調すること等は必要ですが)

 要は、スケールが先にあるのではなく、コード進行がまずあって、それに使えるスケールがあるというのが、基本的アプローチととらえてください。


☆耳コピーは、まずはそのミュージシャンの奏法の傾向を把握しましょう

 市販のスコア譜は非常にいいかげんなのですが、そのひとつの原因として、コピーしているギタリストまたはベーシストがどれくらいのレベルで、どのような奏法上の特徴があるかを把握せずに音を採っているということがあります。

 たとえばペンタトニックを多用するブルース系ギタリストであれば、それほどワイドなスケールポジションは使用しないし、小指の使用頻度も非常に少ないでしょう。また、明らかにタッピング等も使う確率も低いはずです。このように、傾向をまず頭においておけば、ミスは幾分少なくなると思います。
 近頃は、ギター/ベースの技術が進歩し、このあたりがごっちゃになって余計混乱している感じがします。 よって、よりミュージシャンのタイプを分けて考えられるようにする必要があるのでは。
 近頃はたいへんですねぇ。


☆コピーには、コピーマシンが必要な時もあります

 スコア譜を使用するにせよ、耳コピーをするにせよ、他人の曲のコピーに当たっては、各種コピーマシン(フレーズトレーナー等含む)を使用することは考慮すべきです。

 もちろん、聴力を鍛えるためには、基本的にはCD等を直接聴いてノーマルな速度(テンポ)で聴き取れるように努力はすべきです。 よって、ある程度の経験者にとってはコピーマシンの類の使用は、超速弾きのフレーズ等に対してならばともかく、何だか自分の力不足を露呈するようで恥ずかしいような気がするものです。
 しかし、それほど速くないフレーズでも、ノーマルテンポでは聴き取れていない部分もけっこう多いというのも事実なのです。一見楽勝と思えるようなテンポ/フレーズでも、テンポを落として聴いてみると、細かい部分でハンマリングやプリングの使用があったり、リズム的な微妙な表現がある等、意外と気づいていなかった細かい動き/技が見えてきます。

 決して油断せず、常に完全コピーを目指してください。



☆短期集中での練習が必要な時もあります

 フィンガリングやピッキング等において、手や腕の各部を鍛えることや、体力/耐久力的なものが必要な基本的な要素に関しては、少しずつでも毎日欠かさず行なうべき継続した長期的練習が必要であり、またそのようにしないと、決してものにできないことが多いものです。

 しかし、そのような基本的な要素を応用するようなものに関しては、逆に、ある程度”短期集中”で練習を行ったほうが早くマスターできるという場合もあります。新しく出会ったフレーズやピッキングのパターン等がそのようなものにあたりますが、これらについては毎日できるだけ多くの時間を使って練習し、1週間〜1ヶ月くらいの期間で覚えてしまうという形をとったほうが効率が良いものです。
 当然、基本の要素はできているという条件付きですが、それさえできていれば、応用パターンはできるだけ多く弾いて、無条件に体で覚えてしまったほうが良いということがあるわけです。

 ということで、場合に応じて色々な練習パターンを使い分けてみてください。